「朝日新聞と天声人語」
多くの文化人・知識人に愛されてきた朝日新聞。とりわけ一面コラム「天声人語」は常に高い評価を受けてきました。天声人語の歴史と概要を紹介します。
朝日新聞は読売新聞に次いで発行部数の多い日刊新聞です。公称800万部を発行しています。朝日新聞は文化活動にも意欲的に取り組んでおり、夏の甲子園を日本高等学校野球連盟と共に主催しています。
しかし、朝日新聞を朝日新聞たらしめているのはその記事の論調です。朝日新聞の記事は一貫してリベラルな論調であることで知られています。「右の読売、左の朝日」といわれる所以です。もちろん、どちらが良いとか悪いということではなく、読者に選択の幅を与えているということです。
この朝日新聞の特徴が最も端的に出ているのが、一面の下部にあるコラム「天声人語」です。読売新聞では「編集手帳」になっている、あの細長い部分です。
天声人語は1904年から連載が始まったといいますから、既に100年以上の歴史を持つコラムといえます。最近のニュースや話題を朝日新聞の編集員が解説します。そのさい、社説の二番煎じにならないよう、違った角度で分析しているわけです。毎回、天声人語を読むたびにきっちりスペースに収める構文技術に感心するものです。
この編集員は不定期で交代します。交代の際にはその旨が紙面上で伝えられます。執筆員によって文体、論調が変化するのも興味深いものです。もちろん、全体的な主張は朝日新聞の社風に合ったものとなっています。
月末には「最近の言葉から」と題して、各界の著名人からニュースに登場した一般人まで様々な人の発言を掲載します。ランダムに発言が掲載されるので、各発言に脈略はありません。生半可なコラムよりも、発言を羅列したほうが現代社会の姿を表せるのでは、という考えなのでしょう。
朝日新聞は社会のエリートが読む新聞といわれ、大学入試などで「天声人語」が取り上げられることもあります。朝日新聞に賛同する人も批判する人もいますが、いづれにせよ新聞を鵜呑みにするのではなく、自分の考え方を形成する一助として活用したいものです。